盗んだバイクで走り出す

我が家のバイクが盗まれた。我が家のバイクと言っても家族みんながそのバイクを愛していたとは言い難い。スーパーカブというバイクだ。父が時々気分がいい時に町のパトロールに乗っていく。姪っ子たちがこっちに来ていたときにシャボン玉に飽きて散歩に行きましょうというときにシャボン玉液をひとまずおいておくときに便利だった。母は傘をひとまずかけておくのに便利と言っていた。そんな我が家のバイクが盗まれた。
我が家のバイクは玄関ポーチにおいてある。いつもはそのそばに私が下手くそに自分の車を車庫入れしてある。そのため日頃は人はカニ歩きではないと玄関にたどりつけない。しかし、その日、妹に誘われて富士急ハイランドへ遊びに行った。その合間に父が私の車をスッキリと車庫入れして、玄関へは大手を振って訪れることができるようになった。
富士急から帰宅し朝が来た。新聞を取りに父が外に出ると我が家のバイクがなくなっていた。バイクは有料道路の向こう側の田んぼにタイヤを盗られた無残な状態で発見された。無理やりタイヤを外したようで車体はズタズタにされていた。愛していたとは言い難いバイクだけれどもそのバイクへの仕打ちは酷すぎる。