ソウル紀行6

アンニョンハセヨ。
時間をさかのぼります。二軒目の免税店から昼食を食べるレストランまでの道中、車でトンネルをくぐった。トンネルを抜けると土砂降りの雨だった。バケツをひっくり返したようなと表現される雨の4倍の勢いの土砂降りだった。トンネルを出た途端のタイミングとあまりの土砂降り具合に声を上げて笑ってしまった。レストランに着く頃には雨はやんだ。
水原(スウォン)へ行く電車の中。あと、2・3駅で水原というところで微妙は友人が「まだつかないのー。」と不平を漏らしあそばせた。私は「前から何度も時間がかかると言っている」と怒りを込めて申しあげた。
電車が水原駅に着いた。駅から観光スポットの水原華城までバスが出ているらしい。しかし、よその国のバスはさすがに無理だ。日本国内でさえ場所が変わると料金は先払いなのか後払いなのか入り口の券をとるのかとらないのかシステムが変わりそのシステムに対応できない。微妙な友人に「バスの乗車に不安があります。タクシーで行ってもいいですか」と持ちかけると微妙な友人からゴーサインがでた。日頃タクシーを使い慣れていないのでどうやって乗るのだろうかどこから乗るのだろうかとなった。駅ビルの靴屋のお兄さんにインフォメーションセンターの場所を聞き、インフォメーションセンターでタクシー乗り場を聞き、タクシーの運転手にインフォメーションセンターでもらった「ハングル文字で書かれた水原華城」の紙切れを見せて、金魚のフンと化した微妙な友人を携え水原華城にたどり着いた。その間お世話になった韓国の人たちはみんな優しかった。少々、帰りのタクシーより行きのタクシーの料金が高かったけれども。
水原華城はイ・サンの蝋人形がありお母さんの還暦のお祝いをしている場面を再現した部屋がある。イ・サンのお父さんの処刑に使われた米櫃のレプリカがある。近くにいたよその日本人ガイドの話を盗み聞きした情報「この水瓶はこの水瓶で火をけすのではなく火の魔物が水瓶に映った自分の姿に驚いて逃げるようにという魔除けで置いている」を仕入れた。「イ・サン」好きの父や母を連れてきてあげたかったなと思いもした。微妙な友人もチャングム的な場所に浮かれていた。丘の上から水原華城を見下ろして旅行をやり遂げた感に浸った。