ソウル紀行7

アンニョンハセヨ。
丘から水原華城を見下ろしたころには、もうすぐ4時という時間になっていた。夜のカジノツアーの集合時間に間に合いそうもない。ここからどうやって帰るかも分からない。たどってきた道を引き返せばいいのだがタクシーを捕まえる方法がわからない。水原華城の近くにインフォメーションセンターがあるのでタクシーの捕まえ方を聞いた。歩道で手を挙げていれば捕まると教えてくれた。インフォメーションセンターの人が「水原駅」とハングル文字で書いた紙切れを持たせてくれた。一台目のタクシーには断られたが二台目のタクシーは乗せてくれた。
韓国も携帯電話が普及していて、それに伴い公衆電話が少なくなってきている。駅の隅っこにようやく公衆電話を見つけて最初の日にもらったガイドさんの携帯番号に電話をかけた。なかなか繋がらない。繋がったようでもすぐ切れてしまう。ガイドさんへの電話は微妙な友人にまかせて、私は日本の旅行会社へ電話を試みた。国際電話だ。日本国番号を押して電話をかけたつもりなのに韓国人が電話を取った。韓国の見ず知らずのお宅に電話をかけたようだ。微妙な友人と公衆電話ですったもんだしていたら、友人の電話がガイドさんにようやく繋がった。友人はガイドさんに「なんでそんな場所にいるの。もっと早く連絡してください。」と怒られ「すいません」と謝っていた。空港からホテルまでや、免税店巡りで集合時間を守れなかったり、途中で下車させろと要望したりわがままで自分勝手な人がいてイヤだわと思っていた。その人に比べてもドタキャンはかなり迷惑なことだと反省した。
気がかりだったドタキャンの連絡も済み、電車に乗ってソウルへ戻ってきた。微妙な友人は「カジノなんて最初から行きたくなかった」と仰っていたが、私は一攫千金の予感というか確信があったので少々がっかりしながらソウルへ戻ってきた。