ソウル紀行10

アンニョンハセヨ。
金魚のフンまみれになりたくないので、微妙な友人を置き去り空港内を探検した。仁川(インチョン)空港は豊かな空港だ。ドバイの空港の豊かさにも驚いたが、ドバイのそれと同じかそれ以上だった。高級なモノで溢れている。搭乗口は端っこにあり、そこから逆にさかのぼったのだが半分ぐらいまで来て豊かさに辟易し疲れ切って引き返した。
搭乗時間になった。飛行機の入り口のところに新聞が積まれている。一部もらおうと吟味していると、その後ろを微妙な友人がサッサカ通って行った。新聞を片手に座席まで行くと、微妙な友人は窓際に鎮座してあそばれた。行きのときは「どっちでもいい」と言っていたのに。ほんとうはどっちでもよくはなかった。窓際がいいに決まっていたのだ。私は優しいので微妙な友人の席取りになんの突っ込みを入れなかった。3人掛けなので微妙な友人との間にさらに空席を設けさえした。離陸をしてシートベルトを外してもよくなったら、よその席の窓際へ移りもした。帰りの飛行機は座席が半分も埋まってなかった。富士山静岡空港の今後が心配だ。
帰国審査で係りの人に誰と行ったのか、鞄に何が入っているのか聞かれた。今までそんなこと聞かれたことがなかったので、動揺して片言で「あの人と」「お菓子」「化粧品」と答えてしまった。周りは鞄を開けられている人がいっぱいいたけれども、私は鞄を開ける必要はなかった。係りの人に片言であっても私が善人であることがスケスケに見えてしまうらしい。利用客が少なく係官が時間をかけて仕事ができるので富士山静岡空港を悪い目的で使うことはできないだろう。
空港から車で集中工事中の東名高速道路を利用し微妙な友人を家に送り届けて旅は無事に終わった。